対象クラス 1年 文科 理科 2年 文科 理科
講義題目 : 脳科学リテラシー
授業の目標、概要 : 科学技術の発展は著しく、社会への影響も大きい。科学技術を社会に役立つ方向に発展させるためには、私たち一人一人が科 学技術の基本を理解し、その社会的影響を見積もる力、すなわち科学技術リテラシーを身につける必要がある。この授業では、とくに脳科学に焦点を絞って、科 学技術リテラシーの習得を目指す。脳科学の発展は、マインドリーディングやマインドコントロールなどを可能にしたり、自由意志の存在を否定したりする恐れ があるだけに、私たちの社会生活や人間観に及ぼす影響は甚大である。脳科学を健全に発展させるためには、脳科学リテラシーが不可欠である。
授業のキーワード : 脳科学、意思決定、道徳、脳-機械インターフェイス、エンハンスメント、記憶
授業計画 : 次の各テーマについて授業を行う。原則として一つのテーマを一回の授業で扱う。 1 はじめに:脳科学リテラシーとは何か 2 知覚:意識しない知覚はあるのだろうか 3 記憶:私たちの記憶はどれくらい誤りやすいか 4 自由意志:脳科学は意志の自由を否定するか 5 意思決定:薬物依存と意思決定の歪み 6 道徳性:道徳に感情は必要か 7 マインドリィーディング:心の読み取りが可能になると、心のプライバシーはどうなるか 8 BMI(ブレイン・マシン・インターフェイス):義手や義足などは人間のサイボーグ化につながるか 9 精神病理:脳科学から見た心の病とは何か 10 薬理的増強:薬物による認知能力の増強(エンハンスメント)は可能か 11 教育:脳科学は教育にどう役立つか 12 加齢と悪質商法:加齢による認知能力の衰えは脳科学的にはどのようなものか 13 脳科学の実践利用:脳科学が疑似科学化する恐れはないか 14 終わりに:脳科学のイノベーションとガバナンス
授業の方法 : パワーポイントを用いて授業を行う
成績評価方法 : 学期末の定期試験期間中に試験を行う
教科書 : 教科書は使用しない。 参考書 : 書名 :脳神経倫理学の展開 著者(訳者):信原幸弘・原塑 編著 出版社 :勁草書房
ガイダンス有無 : 特に行わない。
学習上のアドバイス : 脳科学と社会の関係について、日頃から、問題意識をもってほしい。とくに脳科学に関する新聞や雑誌の記事などは、興味を もって読んでほしい。 |