東京大学科学史・科学哲学研究室 東京大学科学史・科学哲学研究室
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岡本 拓司

岡本 拓司 おかもと たくじ


2010年度担当の講義

1、2年生

【夏学期】
科学技術基礎論Ⅱ   
基礎演習 (岡本 拓司) 

3、4年生

【夏学期】
科学史II  科学史資料としての新聞・雑誌の利用法
【冬学期】
科学史演習IV 科学史資料としての新聞・雑誌の利用法(2)

大学院生

【夏学期】
科学技術思想III  科学(と技術)の歴史を分野横断・地域横断・時代横断的に検討する
【冬学期】
科学史IV 科学(と技術)の歴史を分野横断・地域横断・時代横断的に検討する(2)

「研究課題」

(1)20世紀のアメリカにおける現代物理学の展開
20世紀前半にヨーロッパに対抗する研究の中心地として発展したアメリカにおける物理学研究・教育の展開を、主としてハーヴァード大学の事例を中心に分析 した。従来、20世紀のアメリカに固有の経済的・制度的要因が議論の対象となってきたが、これらに相前後して生じた学問理念の変容など思想的要因の重要性 を指摘した。

(2)操作主義に基づく科学観の成立と展開
科学上の概念を具体的な操作によって定義しようとする操作主義の成立と、その変容、影響等について分析し、操作主義の科学論としての可能性と限界を明らかにした。

(3)電気技術史
主として電気技術と社会体制の相関関係を中心に、明治維新期以降、日本が電気技術を受容していった過程を分析した。特に、第二次大戦後に行われた電気事業の再編成の過程を、電力中央研究所所蔵の日本発送電旧蔵資料に基づいて明らかにした。

(4)日本の科学研究の水準の変遷
ノーベル賞の選考資料などを用いて、日本の戦前期の科学研究のうち、国際的な評価に耐える研究がどの程度あり、それらがどのようにして生み出され たかを明らかにした。従来、日本においては詳細が知られていなかった研究が、外国人によってノーベル賞に推薦にされている場合があり、詳細についての調査 に時間を要している。

(5)日本の近代化と科学技術
日本の近代化の中で科学技術が果たすべき役割として社会や国家が期待した内容と、実際に受容・育成された科学技術の中身を比較することを目指して いる。日本の科学研究の特徴としては、従来の指摘とは異なり純粋研究への志向性が強く、それが明治期中期以降顕著になる国際競争への意欲の高まりと密接に 結びついて発展したことをあきらかにしつつある。近代の日本で培われた学問観が、科学者の研究に向かう態度やその成果にどのように影響したかを明らかにすることが今後の課題である。



【略歴】

1967年2月生まれ

1985年3月
   桐朋高等学校卒業
1985年4月
   東京大学理科2類入学
1989年3月
  東京大学理学部物理学科卒業
1989年4月
   東京大学大学院理学系研究科科学史・科学基礎論専攻入学
1994年3月
   東京大学大学院理学系研究科科学史・科学基礎論専攻単位取得退学
1994年4月 新潟大学人文学部助手
 (1994年8月~1995年8月 ハーヴァード大学特別研究生(フルブライト奨学金による))
1997年4月
   東京大学大学院総合文化研究科講師
2004年12月 
   博士(学術)を東京大学大学院総合文化研究科より取得
2005年4月 
   東京大学大学院総合文化研究科准教授
  

【著作文献リスト】

a) 学位論文

  • 「アメリカにおける量子力学の受容」(修士論文、東京大学大学院理学系研究科、1991年)
  • “Percy Williams Bridgman and the Evolution of Operationalism” (パーシー・ウィリアムズ・ブリッジマンと操作主義の展開)(博士論文(乙)、東京大学大学院総合文化研究科、2004年10月8日提出、2004年11 月16日公開審査


b) 学術論文

(査読付)

  • OKAMOTO Takuji, “Uncertainty of Operation: P. W. Bridgman and Quantum Mechanics,” Historia Scientiarum, 3:1 (1993), pp. 35-62.
  • 岡本拓司「ハーヴァード大学における理論物理学の創始:実験家の役割を中心に」、『科学技術史』1号(1997年)、1~44ページ
  • OKAMOTO Takuji, “Demystifying Dimensional Analysis: The Beginning of Bridgman’s Scrutiny of Theoretical Physics,” Historia Scientiarum, 8:1 (1998), pp. 21-52.
  • 岡本拓司「ノーベル賞文書からみた日本の科学、1901年‐1948年:物理学賞・化学賞」、『科学技術史』3号(1999年)、87~128ページ
  • 岡本拓司「ノーベル賞文書からみた日本の科学、1901年‐1948年:北里柴三郎から山極勝三郎まで」、『科学技術史』4号(2000年)、1~66ページ
  • 岡本拓司「日本人とノーベル物理学賞」、『日本物理学会誌』55巻(2000年)、525~530ページ
  • OKAMOTO Takuji, “Uncertainty and Controllability: Bridgman, Dingler, and Dewey,” Historia Scientiarum, 12:3 (2003), pp. 233-253.
  • OKAMOTO Takuji, “Percy Williams Bridgman and the Establishment of Theoretical Physics at Harvard,” Historia Scientiarum, 14:1 (2004), pp. 1-48.
  • 岡本拓司「アインシュタインが来る:大正11年、土井不曇理学士の恍惚と不安」、『科学技術史』第9号(2006年)、67‐85ページ
  • 岡本拓司「湯川秀樹と朝永振一郎:交流の軌跡」、『日本物理学会誌』第61巻(2006年)、905‐911ページ
  • 岡本拓司、大迫正弘、鈴木一義、デーナ A. フライバーガー「長岡半太郎の新資料について」、『国立科学博物館研究報告』E類(理工)、第29巻(2006年)、7‐13ページ


(査読なし)

  • 岡本拓司「量子力学はブリッジマンに何を教えたか」、『科学史・科学哲学』11号(1993年)、26~37ページ
  • 岡本拓司「京城帝国大学と科学」、『科学史・科学哲学』11号(1993年)、70~84ページ。
  • 岡本拓司「電気事業の再編成」、中山茂・後藤邦夫・吉岡斉編『通史 日本の科学技術 第1巻』(1995年)、212~229ページ
  • 岡本拓司「電力供給体制の確立」、中山茂・後藤邦夫・吉岡斉編『通史 日本の科学技術 第2巻』(1995年)、295~317ページ
  • 岡本拓司「第二次世界大戦前後の電気事業史をめぐる技術史・事業史上の諸課題」、『電気学会研究会資料 電気技術史研究会』HEE-96-20-25(1996年)、47~56ページ
  • 岡本拓司「一九九五年の電気事業法改正の背景:電力需要・電力供給の問題点とその打開策」、『科学史・科学哲学』14号(1998年)、98~104ページ
  • 岡本拓司「電気事業における規制緩和と分散型電源の導入」、中山茂・後藤邦夫・吉岡斉編『通史 日本の科学技術 第5巻‐1』(1999年)、391~407ページ
  • 岡本拓司「創始期の電燈事業:東京府の例を中心に」、『電気学会研究会 電気技術史研究会』HEE-99-10-20(1999年)、19~24ページ
  • OKAMOTO Takuji, “The Reorganization of the Electric Power Industry in Japan,” in Shigeru Nakayama et al., eds., A Social History of Science and Technology in Contemporary Japan, vol. 1 (Melbourne: Trans Pacific Press, 2001), pp. 319-352.
  • 岡本拓司「戦前期日本の医学界とノーベル生理学・医学賞:推薦行動の分析を中心に」、『哲学・科学史論叢』4号(2002年)、21~57ページ
  • 岡本拓司「戦前期の日本の化学とノーベル賞:ノーベル賞選考資料から」、『現代化学』382号(2003年)、61~64ページ
  • OKAMOTO Takuji, “The Reconstruction of the Electric Power Industry,” in Shigeru Nakayama et al., eds., A Social History of Science and Technology in Contemporary Japan, vol. 2 (Melbourne: Trans Pacific Press, 2005), pp. 414-453.
  • Takuji OKAMOTO, “Science and Competition: The Case of Physics in Japan, 1886-1949,” UTCP (University of Tokyo Center for Philosophy) Bulletin, VI (2006), pp. 57-67
  • 岡本拓司「科学与競争:以日本物理学為例、1886‐1949」、『科学文化評論』第3巻(2006年)、38‐52頁


c) 翻訳

  • ルーイス・パイエンソン、岡本拓司訳「科学史という学問について」、『現代思想』、1992年2月号、28~38ページ;1992年3月号、239~247ページ
  • オーウェン・ギンガーリッチ編、江沢洋監訳、岡本拓司訳『「マクミラン」世界科学史百科図鑑 20世紀・物理学』(原書房、1994年)
  • オリヴィエ・ダリゴル、岡本拓司訳「湯川秀樹と朝永振一郎:日本における理論物理学の研究」、『岩波講座 現代思想11 精密科学の思想』(岩波書店、1995年)、211~229ページ
  • ローレンス・プレッリ、岡本拓司訳「科学をめぐる議論における弁証術的視野と実践理性の弁論術的基盤」、S. ストックルマイヤー他編、佐々木勝浩他訳『サイエンスコミュニケーション:科学を伝える人の理論と実践』、(丸善プラネット、2003年)、99~124ページ


d) その他

  • 岡本拓司「ハーヴァード大学における学部教育の現況」、『大学教育研究年報』(新潟大学大学教育開発研究センター)2号(1996年)、30~39ページ
  • 鎌谷親善・塚原修一・岡本拓司監修『科学主義工業』(皓星社、1997年)。
  • 岡本拓司「解説 科学・技術」、『百科で見る20世紀』CD-ROM版(日立デジタル平凡社、2000年)
  • 岡本拓司「三高時代の湯川秀樹と朝永振一郎」、『日本物理学会誌』57(2002年)、419~420ページ
  • 岡本拓司「山極勝三郎の非受賞が教えたこと」、『学術月報』55巻(2002年)、40~42ページ
  • 上田誠也・竹内敬人・松岡正剛ほか著『理科基礎 自然のすがた・科学の見かた』(東京書籍、2002年)、分担執筆(10~19ページ、103~163ページ)
  • ウルフ・ラーショーン編、津金‐レイニウス・豊子訳、岡本拓司・若林文高・高橋雄造監修『ノーベル賞の百年:創造性の素顔』(ユニバーサル・アカデミー・プレス、2002年)
  • 岡本拓司「電燈・電気事業との関係」、電気技術に果たした国立研究所の役割調査専門委員会編『電気学会技術報告第926号:電気技術に果たした国立研究所の役割』(電気学会、2003年)、42~48ページ
  • 矢島道子・和田純夫編『はじめての地学・天文学史』(ベレ出版、2004年)、分担執筆(96~120ページ、157~171ページ)
  • 岡本拓司「東京大学における科学技術史分野の研究者養成についての私見」、『科学史研究』第43巻(2004年)、176‐178ページ
  • 岡本拓司「世界に挑戦した日本の物理学者たち」、『国立科学博物館ニュース』439号(2005年11月)、6‐11ページ
  • 岡本拓司「アインシュタインが来た:相対論ブームと日本の科学者たち」、太田浩一・米谷民明・松井哲男編『アインシュタインレクチャーズ@駒場』(東京大学出版会、2007年)、131‐154ページ
  • 岡本拓司「朝永振一郎と湯川秀樹:高校時代からの軌跡」、東京大学教養学部編『高校生のためのリベラルアーツ』(東京大学出版会、2007年)、164‐177ページ
  • 安孫子誠也・岡本拓司・小林昭三・田中一郎・夏目賢一・和田純夫『はじめて読む物理学の歴史』(ベレ出版、2007年)、分担執筆(17‐66ページ、114‐131ページ、280‐292ページ)

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