東京大学科学史・科学哲学研究室 東京大学科学史・科学哲学研究室
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大学院生の方へ

講義名 科学哲学III 
年度 2010
区分 夏学期:通常講義
時間 金曜3限
担当 信原 幸弘
教室 14-710
詳細

授業の目標・概要:      我々は同じ報酬なら、すぐ手に入るほうを将来、手に入るほうよりも高く評価する。報酬が手に入るのが先になればなるほど、その価値を割り引いて評価する。このような価値の時間割引はどんなふうに起こるのだろうか。そのような時間割引によって、今はあることをしようと思っていても、そのときが来ると、別のことをしてしまうということが起こりうる。このような通時的合理性の崩壊を食い止める手立てはあるだろうか。価値の時間割引と通時的合理性にまつわる諸問題を考察する。

授業のキーワード:    価値の時間割引、双曲割引、指数割引、通時的合理性、報酬、評価

授業計画:     G. Ainslie, Breakdown of will を毎回、20ページほどずつ読みながら、価値評価の時間的推移と通時的合理性の問題を考察する。

授業の方法:     毎回、1人の担当者を決めて、テキストのレジメを作成してもらい、それに基づいてテキストの理解を確認しながら、主要な論点について全員で議論を行う。

成績評価方法:     レジメの担当および授業時の議論への積極的参加によって評価する。

教科書:     George Ainslie, Breakdown of will, Cambrige University Press(誘惑される意志 : 人はなぜ自滅的行動をするのか / ジョージ・エインズリー著 ; 山形浩生訳)

参考書:     授業時に随時、指示する。