東京大学科学史・科学哲学研究室 東京大学科学史・科学哲学研究室
ホーム > 大学院生の方へ > カリキュラム > 2011年度 > 科学史I

大学院生の方へ

講義名 科学史I
年度 2011
区分 冬学期:通常講義
時間 水曜2限
担当 岡本 拓司
詳細

講義題目:
科学史・科学技術社会論の題材としてのノーベル賞:分野別・地域別特論編

授業の目標・概要:
ノーベル賞は発足以来110年の歴史を持つ国際的な賞であり、とくに自然科学部門の3賞(物理学、化学、生理学・医学)の受賞者は世界中で高く評価されるのが通常である。この賞の選考資料は、1974年より、50年を経たものから公開されており、個別の受賞者の選考過程はもちろん、賞の成立や運営についても研究が進んでいる。
 20世紀以降の科学に関わる出来事を論ずる際には、多くの場面でノーベル賞に関する知識が必要となることがある。この講義では、主として自然科学分野のノーベル賞に関する正確な知識を得たうえで、この賞に関わる出来事のなかから、科学史や科学技術社会論の課題として取り上げうるものについての理解を深めていくこととする。
 ノーベル賞に関わる話題に関連して、科学における国際協力、科学研究を具体的に進める制度や動機、研究成果への評価などについても議論する。
 冬学期と継続して通年で同じ課題を扱うが、冬学期は主として学問分野ごとの特性や地域特性の現れる事例を取り上げる。夏学期のみ、冬学期のみの参加も歓迎する。

授業のキーワード:
ノーベル賞、国際協力、スウェーデン、第一次世界大戦、第二次世界大戦

授業計画:
序論と内容に関する説明、参加者の希望などのうけつけ:1回
史料としてのノーベル賞選考文書:1回
実験研究への評価:2~3回
誤った受賞者選考の例:2~3回
選考委員会の評価を左右するもの:2~3回
推薦状から分かること:2~3回
実験か理論か:2~3回
非西洋圏の科学者への評価:1~3回

授業の方法:
主として既刊の研究論文・研究書を手掛かりにしながら参加者全員で議論し、必要に応じて岡本が解説を加えるかたちで進める。使用する論文や研究書については、初回の参加者の意見も取り入れながら決めたい。また、各人の関心に応じた発表を1回程度行っていただく。

成績評価方法:
時間内での発表。場合によってはレポートを課す。

教科書:      適宜紹介する。
参考書:      適宜紹介する。

履修上の注意:
参加者のもっている関心や知識が多様であることが予想される。なるべく多くの参加者に関心をもっていただけるようにしたいので、希望などがあれば遠慮なく伝えてほしい。

関連ホームページ:     http://hps.c.u-tokyo.ac.jp/staff/_data/okamoto_takuji/index.