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大学院生の方へ

講義名 相関基礎科学特殊講義Ⅲ
年度 2015
区分 夏学期:集中講義
時間
担当 隠岐 さやか
詳細

講義題目 
アカデミーの歴史と科学研究の地理性:18世紀フランス地方アカデミー史を中心に

授業の目標・概要
:   
科学史における18世紀は欧州各地で数百を超えるアカデミー(academies)や協会(societies)が出現し、そこで科学の研究が花開いた時代として知られる。この授業では主にフランスを中心に「科学アカデミーとは何であったのか」を把握することを通じて、科学研究における地理性や権力性、とりわけ中央と地方の問題について検討する。特に今回は地方アカデミーに関する一次資料、二次資料を教材として、地方アカデミーの実態について考察する作業が主となるだろう。

授業のキーワード:   
[日本語用]
科学アカデミー、地方アカデミー、中央と地方、科学と権力、科学の制度化
[外国語用]
Academy of science, Provincial academy, Center and province, Science and power, Institutionalization of 

授業計画:   
講義と演習を行う。演習では、あらかじめ配布される教材(主に仏語・英語)について、参加学生による発表と全員参加でのディスカッションを行う。参加者は読解可能な教材を適宜選んで発表することと、授業後に担当文献についての議論から得たことをレポートとしてまとめることが課題となる。

授業の方法 
講義および演習

成績評価方法:  
演習での発表(70%)と最終レポート(30%)

教科書
Daniel Roche, Le siècle des lumières en province. Académies et académiciens provinciaux, 1680-1789, Paris:EHESS, 1978, tome I(主に第一部を対象とする)

他、プリントにて資料配付(日本語、仏語、英語)

参考書: 
隠岐さや香『科学アカデミーと「有用な科学」:フォントネルの夢からコンドルセのユートピアへ』名古屋大学出版会、2011年。
マイケル・ハンター『イギリス科学革命』大野誠訳、南窓社、1998年(特に第二章、第三章)
デイヴィッド・リヴィングストン『科学の地理学 場所が問題になるとき』梶雅則・山田俊弘訳、法政大学出版局、2014年(特に第一章)

履修上の注意: 
主たる教材はフランス語であるので、一定度の仏語読解能力を有することが望ましいが、困難な者には英語の文献も用意する。

関連ホームページ
http://home.hiroshima-u.ac.jp/soki/

その他: