東京大学科学史・科学哲学研究室 東京大学科学史・科学哲学研究室
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1,2年生の方へ

講義名 科学技術基礎論Ⅱ
年度 2010
区分 夏学期:通常講義
担当 岡本 拓司
教室 514
詳細

対象クラス     1年  文科 理科 2年 文科 理科

講義題目:歴史的・社会的な視点から科学技術の役割・意義を検討する

授業の目標、概要:
 現代社会においては、科学者や技術者ではない人々も、科学技術と関わりをもたずに生きることはできない。社会のさまざ まな局面に現れる科学技術を、侮りもせず、過度におそれもせず、うまく付き合いながら生きていくための手がかりをつかむ機会を作ること、それがこの講義の 目標である。
 将来、科学・技術の領域で働くことを志す人々も、そうでない人々も、ともに学んで意義がある材料を提示していきたい。

授業のキーワード:
科学技術、文化帝国主義、競争、国際関係、近代化、支配・被支配

授業計画:
 以下のような課題を検討していく。順序は参加者の興味に応じて変更することもある。
・科学とは何か、技術とは何か。両方を組み合わせてできたかのように見える科学技術とは何か。
・科学が知識として持つ特殊性はどのようなものか。それは技術とどのような関係を持つのか。
・科学はいつどこで生まれ、どうして、どのように世界に広まって行ったか。
・現代の社会において科学・技術、科学者・技術者とつきあっていく際に気をつけなければいけないことは何か。
 検討のために用いる道具立てに制限は設けない予定である。つまり、科学技術と社会の関わりを考察するために有効であると思われる知的道具立て は、気がつく限りあらゆる分野から探し出して用いてみることにしたい。
 授業の最終段階では、切迫した場面において科学技術に関わる知識を有効に使うことができるかどうかを体験するために、シミュレーションのような ものを行うことも検討している。シミュレーションの実施にあたっては、20名程度の協力者と、数ヶ月前からの準備が必要である。積極的な協力をお願いした い。

授業の方法:
 できる限り、或る程度意味の明確な問いを立て、それに向かって答えを出していくという形態で講義を進めたい。私はもちろん「問い」を組み立てて講義に臨むが、参加者が自身の関心を明らかにしてくださること、および講義以前にどの程度までの知識を持っており、講義によって どの程度理解が進んだかを率直に伝えてくださることを強く望む。参加者の積極的な発言・提案を期待したい。
 通常の講義よりも講義中の質疑応答の時間を長くとりたい。こちらから参加者に質問をすることも多いが、その点は了承されたい。
 学期中に見学を1回、学生同士の議論の回を1回、シミュレーション実施を1回予定している。
 そのほか、講義の進め方全般に関しては、なるべく参加者の希望を取り入れていくようにしたい。

成績評価方法:
 レポートを1回から3回程度提出していただき、それによって成績評価を行う。レポートの書き方については、講義中に説 明する。

教科書:プリントを配付する。

参考書:
書名    :科学革命の構造
著者(訳者):トーマス・クーン
出版社   :みすず書房
ISBN     :4-622-01667-2

ガイダンス有無: 第1回授業日に行う。

学習上のアドバイス:
講義中に発言を活発に行うこと。ただし不規則発言は認めない。
参考文献などのアドバイスが必要な場合には遠慮せずにたずねること。

関連ホームページ:
http://hps.c.u-tokyo.ac.jp/staff/_data/okamoto_takuji/index.php