講義名 | 理科教育II |
年度 | 2001 |
区分 | 冬学期:通常講義 |
担当 | 下坂教官 |
教室 | 557B |
詳細 | この授業では、「科学用語」を様々な角度から検討してみる。こういした視点から科学を見直してみるという試みを通して、理科教育のありかたを考えるというのが、主たる目的である。例えば、科学用語には、エポニミー(冠名詞句)が多いが、それはなぜなのだろうか。さらに、元素名、学名などについても歴史的に検討する。覚えにくい元素名も、元素の発見史をみていくと、興味深い話が出てくるし、無味乾燥に見える学名も、実は面白いからである。科学用語の背景を知っていれば、理科教育にも役立つのではないだろうか。一方、日本の科学は、欧米の進んだ科学を受容してきたが、『蘭学事始』でよく知られているように、翻訳作業が大きな役割を果たしてきた。その際に、多くの翻訳語が作られ、日本語の科学用語があるお陰で、科学知識が人々に広く普及したといわれている。しかし、今日では、翻訳語は作られず、カタカナ語の氾濫が科学用語をわかりにくくしているようだ。この問題についても考えてみたい。 |