東京大学科学史・科学哲学研究室 東京大学科学史・科学哲学研究室
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3,4年生の方へ

講義名 科学哲学特論III
年度 2001
区分 夏学期:通常講義
担当 貫 成人
教室 1109
詳細

現象学と現代哲学
20世紀のはじめエドムント・フッサールによって創始された現象学は、当時の中欧やドイツ語圏のさまざまな哲学との対質を通じて形成されたものであり、またその後、現象学に新たな展開をもたらしたメルロ=ポンティもまた、哲学の諸潮流を踏まえながら分析を深めていった。この講義では、(1)「志向性」(意味論)、(2)認識と真理、(3)時間性、(4)自我と他我、(5)歴史、(6)身体、(7)性、(8)言語、(9)感覚、(10)知覚、(11)自由、といった諸問題に関するフッサールとメルロ=ポンティの洞察を検討してゆく。その際、ブレンターノ、マイノンク、フレーゲ、フロイト、レヴィ=ストロースといった、直接フッサールやメルロ=ポンティと交渉や影響関係のあった哲学者はもとより、ダメットやパトナム、マクタガート、デリダなど、現象学の扱った問題に直接、間接に関連のある人々の所見と対比させながら、現象学がもつ特徴を明らかにしてゆきたい。なお、講義に際して、現象学などに関する予備的知識は一切前提せず、初歩的なところから説明してゆくつもりである。