東京大学科学史・科学哲学研究室 東京大学科学史・科学哲学研究室
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3,4年生の方へ

講義名 理科教育 II
年度 2006
区分 冬学期:通常講義
担当 下坂 英
教室 518
詳細

理科嫌いの人の話を聞くと、理科教師が、用語や法則などを、とにかく覚えろというので、嫌いになったという人が少なくありません。確かに、覚えることは必 要ですが、丸暗記の強制はあまり能がありません。科学史のエピソードに基づいて教えれば、関心を持ってくれ、習得が進んだという報告も少なくありません。 科学史を通じて、「科学的思考とは」という問題を追究することも大きな意味があります。こうした科学史を利用した理科教育について考えます。
また、生徒への調査によると、「科学の知識など必要ない」から理科に関心がないという人も多いのです。まず、なぜ必要なのかを生徒に説得すべきです。言う までもなく、現代社会は、科学なしでは成立しえないし、民主社会においては、科学に関わる問題についても、一般人の判断が要請されます。そこで、新聞記事 を調べさせることで、いかに科学が重要な話題になっているか実感させることができれば、彼らも科学を学ぶ必要性を認識することができるでしょう。このよう な社会の中における科学という視点も、これからの新しい理科教育には必要なのです。「疑似科学」や、最近、大きな話題になっている「科学における不正行 為」についても、理科教育の見地からどう扱うか検討していきたいと思います。

  • 教科書及び参考文献:毎回、プリントを配布します。
  • 成績評価方法:出席重視、宿題とレポート。