東京大学科学史・科学哲学研究室 東京大学科学史・科学哲学研究室
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3,4年生の方へ

講義名 科学史特論 VII
年度 2007
区分 夏学期:通常講義
担当 飯島 渉
教室 8-332
詳細

私は、「科学史」を専攻する者ではありません。近代東アジア(「中国」・台湾、朝鮮、琉球・沖縄、日本)を対象として、感染症の流行と衛生事業の制度化、 その社会変容への影響などを研究してきました。対象としてとりあつかってきた感染症は、ペスト、コレラ、マラリア、インフルエンザなどです。しかし、この 過程で、私は、近代日本が植民地で蓄積した学知、特に、医学・衛生学が東アジアにきわめて大きな影響を及ぼしていたことを知りました。この授業では、こう した知見を以下のような配列で概観します。現在、私が関心をもっているのは、農学の領域であり、これについても、若干、言及します。この作業を通じて、科 学史と歴史、地域研究の接点をさぐることができればと考えています。科学史プロパーの皆さんはもとより、広く、歴史(日本、東洋、西洋という枠組みには まったくこだわりません)や地域研究に関心を持つ方の受講を歓迎します。

はじめに―植民地史と植民地科学史/「植民地医学」と「帝国医療」/事例研究(1)台湾―起点/事例研究(2)関東州、朝鮮―展開/事例研究(3)満州国/断絶と継承

  • 飯島渉『ペストと近代中国』研文出版、2000年
  • 飯島渉『マラリアと帝国』東京大学出版会、2005年
  • 成績評価方法:試験を予定しています。