東京大学科学史・科学哲学研究室 東京大学科学史・科学哲学研究室
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3,4年生の方へ

講義名 科学史特論 I
年度 2009
区分 冬学期:通常講義
担当 東 慎一郎
詳細

初期近代科学革命とは何だったのか

本講義は,初期近代(16, 17世紀)の科学革命について,

最近の教科書およびその他の文献を用いつつ概観する.科学革命は,ヨーロッパ科学史の中でも重要なテーマであるが,近年は様々な切り口から研究がなされ,歴史像が多様化している.理論的革新を重視するのか,それとも文化的あるいは社会的文脈から考察するのか,また過去との断絶なのか,それとも連続性を見るのか──どの視点をとるかにより,科学の変革の様相が異なって見えてくる.根本においては,科学や科学的活動とは何かということが問題になっている.
授業は前半と後半に分かれる.前半部では,ジョン・ヘンリー著『17世紀科学革命』(東慎一郎訳,岩波書店,2005年)を講読してゆく.本書は,紹介文献も豊富で,入門書として便利である.後半部では,出席者の希望や関心に応じて,科学革命およびその歴史的背景に関連する個別テーマを設定し,取り扱ってゆく.その際,文献は適宜決定する.

キーワード
ヨーロッパ科学史  初期近代科学革命  数学的自然科学の発展  経験主義の革新

授業スケジュール
第1回 ガイダンス
第2~8回 ジョン・ヘンリー『17世紀科学革命』講読
第9~14回 個別テーマによる講読
第15回 まとめ

諸注意・評価方法ほか
・テキスト講読の進度は,受講者のペースを考慮して設定する.
・講読における受講者の参加発表を評価対象とする.
・受講者の人数によっては,レポート提出などほかの評価方法も用いる.詳細は授業初回で説明する.

教科書
・ジョン・ヘンリー 『17世紀科学革命』東慎一郎訳,岩波書店,2005年(ISBN 4 00 027095 8, \2500)