初期近代科学革命とは何だったのか 本講義は,初期近代(16, 17世紀)の科学革命について, 最近の教科書およびその他の文献を用いつつ概観する.科学革命は,ヨーロッパ科学史の中でも重要なテーマであるが,近年は様々な切り口から研究がなされ,歴史像が多様化している.理論的革新を重視するのか,それとも文化的あるいは社会的文脈から考察するのか,また過去との断絶なのか,それとも連続性を見るのか──どの視点をとるかにより,科学の変革の様相が異なって見えてくる.根本においては,科学や科学的活動とは何かということが問題になっている. 授業は前半と後半に分かれる.前半部では,ジョン・ヘンリー著『17世紀科学革命』(東慎一郎訳,岩波書店,2005年)を講読してゆく.本書は,紹介文献も豊富で,入門書として便利である.後半部では,出席者の希望や関心に応じて,科学革命およびその歴史的背景に関連する個別テーマを設定し,取り扱ってゆく.その際,文献は適宜決定する. キーワード ヨーロッパ科学史 初期近代科学革命 数学的自然科学の発展 経験主義の革新 授業スケジュール 第1回 ガイダンス 第2~8回 ジョン・ヘンリー『17世紀科学革命』講読 第9~14回 個別テーマによる講読 第15回 まとめ 諸注意・評価方法ほか ・テキスト講読の進度は,受講者のペースを考慮して設定する. ・講読における受講者の参加発表を評価対象とする. ・受講者の人数によっては,レポート提出などほかの評価方法も用いる.詳細は授業初回で説明する. 教科書 ・ジョン・ヘンリー 『17世紀科学革命』東慎一郎訳,岩波書店,2005年(ISBN 4 00 027095 8, \2500) |