東京大学科学史・科学哲学研究室 東京大学科学史・科学哲学研究室
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3,4年生の方へ

講義名 科学哲学特論VIII
年度 2010
区分 冬学期:通常講義
担当 柏端 達也
詳細

講義題目:     信念と信念主体について

授業の目標・概要:
     私たちはさまざまな仕方でさまざまな種類の事柄を「信じて」います。しかしそれが正確にどのようにそうなのかはそれほどはっきりしていません。この講義では、信念と信念主体をめぐる比較的広い範囲の哲学的諸問題を取りあげます。心理学の哲学や、信念やその他の態度についての論理学、あるいは懐疑論といったトピックを、どちらかといえば還元主義的でない立場から記述し論じることになると思います。ひょっとするとあまり体系的な話にならないかもしれませんが、なるべく各テーマのあいだにつながりを持たせるつもりでいます。なお講義では、分析哲学や論理学の手法に基づく問題の定式化や解答案を紹介しますので、哲学のこの分野になじみのない人はそのテクニックの基本や基礎知識に触れていただき、そして上級者は私の議論を批判的に検討していただく機会になればと思っています。

授業のキーワード: 信念、命題的態度、行為、主体、論理、合理性

授業計画:
 簡単な導入に続き、次のようなトピックを取りあげていくつもりです。すなわち、
(1)ムーアのパラドックスと信念の「外部」について、
(2)信念の論理と合理性の制約について、
(3)自己知(自己信念)と不合理性について、
(4)行為主体と価値について、
(5)その他。
ただし以上の順番は確定的ではありません。

授業の方法:
    講義形式です。授業時間中に不定期に(頻繁にではまったくないですが)コメント的なものを書いてもらうこともあります。講義形式ではありますが、内容についての質問や意見は大いに歓迎します。

成績評価方法:
    期末試験またはレポート(90%)、授業中に書いてもらうことになるであろうコメント(10%)。なお、試験にするかレポートにするかは、受講者の希望に応じて、適切なタイミングで決定します。

教科書: 教科書は使いません。毎回プリントを配布し、それを用います。
参考書: 授業時間内に提示します。