講義題目: 脳神経倫理
授業の目標・概要: 脳神経科学をめぐる倫理的問題を考察する。脳神経科学は心にかかわる研究成果を生み出すため、独特な倫理的問題を提起する。自由で合理的な主体という従来の人間観を脅かし、そのためそのような人間観に立脚した社会制度を危うくする恐れがあるとともに、人の心を読み取ったり操作したり、あるいは我々の認知能力を増強したりする可能性がある。これらの問題を考察しながら、脳神経倫理学に内在する倫理的問題についての理解を深める。
授業のキーワード: マインドリーディング、マインドコントロール、エンハンスメント、人格の同一性、自由意志、道徳的判断
授業計画: 次のテーマについてそれぞれ1、2回、授業を行う 1.脳神経倫理とは何か 2.マインドリーディングと心のプライバシー 3.脳科学による精神鑑定 4.人間の自律性 5.スマートドラッグとエンハンスメント 6.記憶の消去と人格の同一性 7.リベットの脳科学実験と自由意志 8.反社会的行動と脳科学 9.道徳的判断と脳科学
授業の方法: 毎回、各テーマに関するレジメをもとに討議を行う。
成績評価方法: レポートによって評価する。
教科書: 信原幸弘・原塑編『脳神経倫理学の展望』勁草書房
参考書: 信原幸弘・原塑・山本愛実『脳神経科学リテラシー』勁草書房
履修上の注意: とくになし |