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3,4年生の方へ

講義名 科学史特論III
年度 2011
区分 夏学期:通常講義
担当 瀬川 至朗 
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詳細情報
講義題目:     科学ジャーナリズム研究入門

授業の目標・概要:
【目標】科学ジャーナリズムの歴史的な展開や現実について、事例分析を通じて体系的な理解を得られるようにする。また、受講生のメディア・リテラシーの涵養を図り、新聞やテレビの日々の報道を批判的に読み解く力を養う。

【概要】ジャーナリズムの規範的機能の一つにアジェンダ(議題)構築の機能がある。社会の中の重要な争点を発見し,それを公共的な意見形成のアジェンダとして承認し,市民に伝えていくはたらきである。科学ジャーナリズムにおいても、このアジェンダ構築機能は重要である。本授業では、環境問題や医療問題、原子力問題など、科学技術と社会が密接に関係する具体的な事例を取り上げ、文献調査や記事の内容分析などを通じて、問題の構造を整理するとともに、新聞をはじめとする科学ジャーナリズムが果たしてきた役割を批判的に考察する。

候補テーマとしては、水俣病、地球温暖化、脳死臓器移植、生殖補助医療、再生医療、遺伝子診断、ワクチン接種、BSE、新型インフルエンザ、原子力、食料、宇宙開発など。

授業のキーワード:
ジャーナリズム、メディア・リテラシー、科学ジャーナリズム、科学コミュニケーション、科学技術社会論、科学技術政策

授業計画:
授業の方法:
最初の数回は、科学ジャーナリズムの概要について講義する。その後、受講生がそれぞれ取り上げるテーマを相談のうえ決定する。各自、基本文献や新聞記事の調査を進め、調査・分析の内容を順次、授業で報告し議論する。最終的に「水俣病とジャーナリズム」といった形のレポートをそれぞれ作成する。受講生の人数や希望により、授業の方法を変更することも考える。

成績評価方法:
レポート(50%)、出席・報告・議論への貢献度(50%)

教科書:     特にない。

参考書:
日本科学技術ジャーナリスト会議編『科学ジャーナリズムの世界―真実に迫り、明日をひらく』(化学同人、2004年)
藤垣裕子編『科学技術社会論の技法』(東京大学出版会、2005年)
藤垣裕子、廣野喜幸編『科学コミュニケーション論』(東京大学出版会、2008年)
小林宏一、瀬川至朗、谷川建司編『ジャーナリズムは科学技術とどう向き合うか』(東京電機大学出版局、2009年)
岡本暁子、西村吉雄、若杉なおみ編『科学技術は社会とどう共生するか』(東京電機大学出版局、2009年)

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