東京大学科学史・科学哲学研究室 東京大学科学史・科学哲学研究室
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3,4年生の方へ

講義名 科学哲学演習Ⅱ
年度 2012
区分 夏学期:通常講義
担当 河野 哲也
詳細

講義題目:     
心の哲学と現象学:自我の概念の再検討

授業の目標・概要:     
近年では、従来はしばしば対立関係にあった分析的哲学系の心の哲学と現象学が融合し、共同して研究を行う傾向が強まっています。本講義では、心の哲学と現象学が交差する分野における近年の重要な研究を取り上げて、演習形式で考察を深めていきます。今年度は、自己(自我)や主観性、一人称性の問題をテーマとした著作・アンソロジーを取り上ます。

授業のキーワード:     
心の哲学、現象学、自己、自我、主観性、一人称性

授業計画:     
以下の2冊の文献のなかの重要な章を取り上げて、会読し、ディスカッションします。両方とも自己に関わる近年の興味深い成果です。 Mark Siderites, Evan Thomposon, & Dan Zahabi (Eds.) (2011) Self, No Self? Oxford. Dan Zahavi (2008) Subjectivity and Selfhood. MIT press.  前者は、分析哲学、現象学、インド哲学、仏教のさまざま自我概念を比較しながら、自我についての新しい概念を打ち立てようとする前衛的なアンソロジーです。後者は、ヨーロッパ現象学を担うフッサールの専門家による自己と間主観性についての議論です。  前者の全部と後者の半分ほどを会読していきます。
授業の方法:     
演習形式の授業をします。基本的な学生の発表とディスカッションで進み、教師の側からの一方的な講義はしません。当番で発表の担当をしてもらい、文献のレジュメを作ってきてもらいます。ほかの人も各人が文献を読んで、ディスカッションの時間を十分にとります。

成績評価方法:     
成績評価は、発表と期末レポート提出を必須とします。発表30%、ディスカッションへの参加20%、期末レポート50%。

教科書:     
Mark Siderites, Evan Thomposon, & Dan Zahabi (Eds.) (2011) Self, No Self? Oxford. Dan Zahavi (2008) Subjectivity and Selfhood. MIT press.

参考書:     


履修上の注意:     


関連ホームページ:     
http://tetsuyakono.typepad.jp/