講義題目: (歴史の中の)危機と科学技術
授業の目標・概要: 主として(近代以降の)歴史に題材をとりながら、危機と科学技術の関わりについて、冬学期の科学技術社会論演習Iとともに通年で検討する。まずは科学技術との関わりを考えず、国家や社会、或いは個人にとって、危機とはどのようなものであるのかを検討する。危機は、守るべきものがあるために生ずる事態であるが、反面、価値観の崩壊をもたらす危機の前後では、守るべきものが一変することがある。守るべきものが長期にわたって変化しない国家や社会の例もあるが、それはむしろ例外的であることを理解したい。 そのうえで、科学技術と危機との多様な関わりについて考察したい。科学技術が、国家や社会が危機に対処するために役立つ場合もあれば、科学技術がむしろ危機や災厄をもたらす、もたらさないまでも激化させる場合もある。技術を介さないで科学が直接危機に関わることもある。 本講では以上のような側面について、具体的な事例を取り上げつつも、それらをやや抽象化・類型化するための考察を行うこととしたい。
授業のキーワード: [日本語用] 科学技術、危機、疫病、災害、戦争 [外国語用] Science and Technology, Crisis, Epidemics, Disaster, War 授業計画: 危機とは何か:2-3回 危機と守るべきもの:2-3回 危機と守るべきものの変化:2-3回 危機に対抗する科学技術:2-3回 危機を発生させる科学技術:2-3回 参加者による発表:3-4回
授業の方法: 前半は、参加者の知識や意向を窺いつつ、主として岡本が講義する。参考になる文献等も紹介する。後半から徐々に参加者の発表を取り入れていく。参加者は関連する話題で自分が発表することを念頭において参加すること。
成績評価方法: 講義中の発表、レポート1-2回程度、による。
教科書: 特にない。
参考書: 時間中に紹介する。
履修上の注意: 積極的に発言すること。
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