東京大学科学史・科学哲学研究室 東京大学科学史・科学哲学研究室
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3,4年生の方へ

講義名 科学哲学演習Ⅱ
年度 2013
区分 冬学期:通常講義
担当 河野哲也
教室 8号館8-113
詳細

講義題目: 
心の哲学と現象学:自我の概念の再検討

授業の目標・概要:  
 近年では、従来はしばしば対立関係にあった分析的哲学系の心の哲学と現象学が融合し、共同して研究を行う傾向が強まっています。本講義では、心の哲学と現象学が交差する分野における近年の重要な研究を取り上げて、演習形式で考察を深めていきます。
 今年度は、自己(自我)や主観性、一人称性の問題をテーマとした著作・アンソロジーを取り上ます。

授業のキーワード:  
[日本語用]
心の哲学、現象学、自己、自我、主観性、一人称性

[外国語用]


授業計画:  
以下の文献のなかの重要な章を取り上げて、会読し、ディスカッションします。両方とも自己に関わる近年の興味深い成果です。
Mark Siderites, Evan Thomposon, & Dan Zahabi (Eds.) (2011) Self, No Self? Oxford.
Dan Zahavi (2008) Subjectivity and Selfhood. MIT press.
 前者は、分析哲学、現象学、インド哲学、仏教のさまざま自我概念を比較しながら、自我についての新しい概念を打ち立てようとする前衛的なアンソロジーです。後者は、ヨーロッパ現象学を担うフッサールの専門家による自己と間主観性についての議論です。

授業の方法:  
演習形式の授業をします。基本的な学生の発表とディスカッションで進み、教師の側からの一方的な講義はしません。当番で発表の担当をしてもらい、文献のレジュメを作ってきてもらいます。ほかの人も各人が文献を読んで、ディスカッションの時間を十分にとります。

成績評価方法:  
成績評価は、平常点(発表と提出物、ディスカッションへの参加)を100%とします。

教科書: 
Mark Siderites, Evan Thomposon, & Dan Zahabi (Eds.) (2011) Self, No Self? Oxford.
Dan Zahavi (2008) Subjectivity and Selfhood. MIT press.

参考書: 
講義中に指示します。

履修上の注意: 
演習形式の授業をしますが、事前の哲学や倫理学の知識は全く必要ではありません。関心のある方ならどの分野の方でも歓迎です。

関連ホームページ:
http://tetsuyakono.eco.coocan.jp/

その他: