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3,4年生の方へ

講義名 科学技術社会論Ⅰ
年度 2014
区分 夏学期:通常講義
担当 藤垣 裕子
教室 15号館104室
詳細

講義題目: 
科学技術社会論の概論

授業の目標・概要:  
現代社会において科学/技術の発展はめざましく、生活の隅々にまで浸透し、かつ社会およびその構成員一人一人の安全やリスクに直結する形ですすんでいる。環境、食糧、医療、情報、災害などさまざまな分野において、科学/技術と社会との接点の問題の調停が求められている。空気感染の可能性のある鳥インフルエンザの遺伝子情報は、バイオテロを考慮して論文として公表にしないほうがいいのだろうか、情報技術のグローバル化にともなう各国の法整備はどうあるべきか、そして東日本大震災後の原子力発電所事故はなぜハイテク国日本で起こってしまったのか、など、自然科学の個別の学問領域を越えた複合領域の問題はたくさんある。最先端科学と技術は、自然科学の個別の学問領域を越えて、外交や国際関係、法律そして社会制度の関係する複合領域の問題(科学技術のガバナンス)となりつつある。本授業では、このような膨大な境界領域の問題を扱う学問分野である科学技術社会論(STS)という学問領域を概観し、学生の皆さんによる自主的な事例分析を通して、その手法を学ぶ。

授業のキーワード:  
[日本語用]

専門主義の源泉、科学的合理性と社会的合理性、知識政治学、市民参加、科学者の社会的責任、科学コミュニケーション

[外国語用]
Public Ethos and Spirit of Specialism, Scientific Rationality and Social Rationality, Politics of Knowledge, Public ENgagement, Governenance of Science, Science Communication,Social Responsibility of Scientists

授業計画:  
第1回 導入:現代社会と科学技術
第2回 専門主義の源泉と異分野摩擦
第3回  知識政治学
第4回 脱構築とは何か:数値への信頼をめぐって
第5回 技術の社会的構成
第6回 科学と政治:ガバナンスと市民参加
第7回 最先端科学と法
第8回 最先端科学と国際関係
第9回 科学者の社会的責任
第10回 科学コミュニケーション
第11回  発表会1
第12回 発表会2
第13回  発表会3
第14回 発表会4
第15回 発表会5

授業の方法:  
講義、グループ討論、学生による発表

成績評価方法:  
学生発表会における事例分析の発表、および最終レポートによる

教科書: 
藤垣裕子著、専門知と公共性、東京大学出版会、2003
藤垣裕子編、科学技術社会論の技法、東京大学出版会、2005

参考書: 
藤垣裕子、廣野善幸編、科学コミュニケーション論、東京大学出版会、2008

履修上の注意: 


関連ホームページ:


その他: