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講義題目: 認知哲学の基本問題
授業の目標・概要: 認知哲学の基本問題の考察を通して、認知とは何かの哲学的理解を深める。認知は狭い意味では思考(信念形成や意思決定、問題解決)を指すが、広い意味では、感覚、知覚、情動、気分なども含み、心の働き全般を指す。ここでは広い意味での認知、すなわち心の働き全般について考察を行うとともに、そもそも心とは何かという原理的な問題も扱い、心についての総合的な哲学的理解を目指す。
授業のキーワード: [日本語用] 心身問題、素朴心理学、他我問題、自己意識、人工知能、脳科学
[外国語用]
授業計画: 次の諸問題について数回ずつ扱う。 1、心に関する存在論的問題。心身問題についての二元論、行動主義、還元的唯物論、機能主義、消去的唯物論を考察する。 2、心に関する意味論的問題。心的述語がいかにしてその意味を獲得したのかを考察する。 3、心に関する認識論的問題。他我問題と自己意識の問題を扱う。 4、心に関する方法論的問題。心を解明るためにどのような方法をとるべきかを考察する。 5、人工知能。コンピュータに認知能力をもたせることが可能かを考察する。 6、脳科学。脳の情報処理の観点から心の働きを考察する
授業の方法: テキストに基づいて解説し、重要な問題について議論を行う。
成績評価方法: レポートによる。
教科書: Paul M. Churchland, Matter and Consciousness, third edition,Cambridge, MA: MIT Press, 2013.
参考書: ポール・M・チャーチランド『認知哲学』産業図書、1997年
履修上の注意: 心について認知科学や脳科学の成果も含めて幅広い関心をもってほしい。
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