講義題目: 情報社会の技術・倫理思想――メディア論と社会システム論を軸に――
授業の目標・概要:
インターネットを土台とする近年のメディア技術の急速な進展は、既存の社会構造や倫理に疑問符を突き付けると同時に、それを根底から組み替えつつある。現行の社会理論や倫理思想は、こうした進行中の変化をキャッチアップし、対自化し、そして理論化する、そもそもの枠組みを有していない。 本講義は、メディア論と社会システム論という枠組みによって、いま生じつつある倫理を含めた社会構造の変動を理論化するための一つのモデルを与えようとするものである。講義では、メディア論と社会システム論の概要をサーベイした上で、グーグルに代表される「情報検索」や「ビッグデータ」、フェイスブックやツイッターに代表される「SNS」、アップル・ウォッチやグーグル・グラスに代表される「ウェアラブル」、ペッパーに代表される新しい「ロボット」といったインターネット上の代表的な技術の社会的意味を考え、また情報社会における「倫理」の可能性を問うことになろう。
授業のキーワード: [日本語用] 情報社会、技術、倫理、メディア論、社会システム論
[外国語用]
授業計画:
1 イントロダクション――問題の設定 2 〈メディア〉論とは何か 3 〈メディア〉論の展開過程1 4 〈メディア〉論の展開過程2 5 〈メディア〉史観 6 社会システム論の本質1 7 社会システム論の本質2 8 社会システム論の本質3 9 〈メディア〉論と社会システム論との交錯 10 グーグルは何を目指しているのか? 11 ビッグデータの社会哲学的位相 12 ウェアラブルの社会的機能 13 SNSによるコミュニケーションの変容 14 人工知能とロボットの情報社会的変容 15 モラルとハイパーモラル
授業の方法: 講義
成績評価方法: 最終レポート
教科書:
参考書: 大黒岳彦 『〈メディア〉の哲学―ルーマン社会システム論の射程と限界―』(NTT出版)、大黒岳彦『情報社会とは何か?―〈メディア〉論への前哨―』(NTT出版)、ともに電子版あり。
履修上の注意: 講義は特段の予備知識を前提しない。
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