東京大学科学史・科学哲学研究室 東京大学科学史・科学哲学研究室
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講義名 科学哲学 III
年度 2008
区分 夏学期:通常講義
時間 金曜3限
担当 信原 幸弘
教室 14-710
詳細

道徳的な善悪の判断において感情が不可欠な役割を果たしているという見解は、ヒュームをはじめ、哲学におけるひとつの立場として連綿と受け継がれて きたが、近年、それを支持する経験的な知見が脳科学、社会心理学、精神病理学などから得られている。また、これと関連して、感情的反応が自然選択によって 進化的に形成された生得的・普遍的なものではなく、文化的に形成されたものであり、それゆえ道徳も文化に相対的であるという相対主義的な立場が勢力を得つ つある。道徳的判断における感情の役割および道徳の相対性を考察するために、Jesse J. Prinz, The Emotional Construction of Moralsを読む。