講義名 | 科学哲学演習 II |
年度 | 2008 |
区分 | 夏学期:通常講義 |
担当 | 信原 幸弘 |
教室 | 1223 |
詳細 | 脳科学の発展に伴って、心のはたらきが次々と解明される一方、さまざまな倫理的な問題もわき起こりつつある。そのような問題のひとつに、心の操作の問題がある。私たちは、日常的にも、他人を説得したり、騙したりして、他人の心を操作したり、あるいはコーヒーを飲んで気分を変えるなど、自分で自分の心を操作したりする。しかし、脳科学が発展すると、そのような間接的な仕方ではなく、もっと直接、脳に介入することで、心のあり方を変えることが可能になってくる。たとえば、脳に外科的に介入して、神経回路網を変えることによって、その人の思考を変化させたり、薬物を飲むことによって感情を自在に制御したりすることができるようになる可能性がある。このような脳への直接的な介入による心の操作は倫理的に許容されるだろうか。この問題について、関連する文献を読みながら、考察する。 |