東京大学科学史・科学哲学研究室 東京大学科学史・科学哲学研究室
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3,4年生の方へ

講義名 科学哲学Ⅲ=哲学概論
年度 2009
区分 夏学期:通常講義
担当 信原 幸弘
詳細

情動は合理的な意思決定を妨げるものとして捉えられやすい。合理的に意思決定を行うためには、できるだけ情動の影響を排して純粋に理性的に熟慮すべきだというわけである。しかし、最近の脳科学の知見によれば、適切な情動がなければ、かえって合理的な意思決定ができないことが明らかにされつつある。情動はたんなる脳内の過程ではなく、身体の情動的な反応を含む過程である。情動が合理的な意思決定に関与するということは、脳だけではなく、身体も合理的な意思決定に関与するということである。情動ないし身体が意思決定においてどのような役割を果たすのかを、英語の文献を読みながら考察する。