講義題目: 科学とは何であり倫理や危機とどう関わるか
授業の目標・概要: 科学は誕生以来(誕生前から?)、社会に混乱や災厄をもたらすことがあった。短期的に見れば(つまり人間の一生程度の時間感覚でみれば)、地動説は平穏な宇宙観をかき乱し、進化論は人間の尊厳に関する信頼を損ない、科学的を標榜するマルクス・エンゲルスの社会主義は20世紀の末までに至る政治的動乱を引き起こした。にもかかわらず、どうしたことか、近年、科学は人類に進歩や幸福をもたらす、或いは人間を危険から守ることのできるものとして期待を集めるに至っている。ここには、科学の性格に関する何らかの誤解や希望的に過ぎる観測が含まれているに違いない。本講では、科学とは何であるかを明らかにしながら、これが人間社会の倫理や危機とどうかかわってきたかを論ずる。
授業のキーワード: [日本語用] 戦争、産業、健康、生命、伝統、文明
[外国語用]
授業計画: 序論:1回 科学とは何か:2~3回 倫理と危機:2~3回 倫理と危機と科学の関わり:2~3回 歴史上の具体例:2~3回 参加者による発表:2~3回
授業の方法: 参考資料を配布し、事前に目を通してもらうことを前提にして、講義を行うが、参加者の意見を尋ねるので、積極的に発言してほしい。最後の数回は、参加者による発表を予定している。
成績評価方法: 講義中の発表、またはレポート。
教科書: とくにない。
参考書: 講義中に紹介する。
履修上の注意: あまりなじみのない事柄を扱うことが多いので、わからないことがある場合には遠慮なく尋ねること。質問が少ない場合にはこちらから質問する。
関連ホームページ: http://hps.c.u-tokyo.ac.jp/staff/_data/okamoto_takuji/index.php
その他:
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